投稿

1月, 2025の投稿を表示しています

私は、油絵具が好き

イメージ
 油絵具って臭くってベタついて使い方が面倒で嫌いっていう人がいる。私自身、手に絵具が付くのは嫌だ。石鹸でゴシゴシ洗い落とす。匂いも確かに良いとはお世辞にも言えない。ただし溶き油のリンシード等の芳しい匂いは良いと思わないでもない。ペトロールはいかん、これは石油だからね。頭が痛くなる。 水彩絵具は水で溶くので匂いは感じられないし手に付いても水で洗えば落ちる。手軽で良い。墨も同様だネ。 日本画の絵具の場合は水で溶く絵具と言えるけども水彩画とは違うし、膠で顔料を付けることになるのが普通だから面倒だ。膠を湯で溶かすときは痛烈な匂いがする。ちなみに日本画と呼ぶのは日本だけで、本来の名称は膠で溶き描くので膠絵が正式だろう。 現代はアクリル絵具があって一番使われている画材かもしれない。私が学生時代にアクリル絵具が一般的に売り出されたのではないかと思う。絵具メーカーの販売促進活動の一環かと思うが、実技講義中にアクリル絵具の紹介があった。その人がある芸術系の大学に売り込みに行った時「うちは油絵を教えているのでねえと断られたけど、絵を教えているのじゃないですか。」ということを話していた。同感! 水に溶けて乾けば油絵具以上に堅牢だといわれるが艶がない。混合物で油絵具のような艶を出す方法があるらしいけどネ。乾燥が早くて絵筆を常に水に漬けておかないといけないなどと言う。これでは私の性分に合わない。  これらの中で一番私が好きなのは油絵具である。一度も使った経験が無いのはアクリル絵具だ。アクリル絵具の悪口は言わないでおこう。油絵具は乾きが遅いのでゆったりと描ける。遅いのは悪くないが遅すぎるのは困る時もある。1週間経っても乾かないとイライラするときもある。でも厚塗りもでき薄く描くこともでき修正もでき・・と良いことずくめの絵具である。 私が普段使っている絵具を紹介すると、黒(アイボリーブラック)白(パーマネントホワイト) 青(コバルトブルー)赤(カドミウムレッド)黃(カドミウムイエロー)黄土(イエローオーカー)茶(ローシェナ)濃緑(サップグリーン)です。微妙な色合いはこれらを幾つも混ぜて作ります。混色を重ねると濁るから駄目だと言われるが平気です。自称・色の魔術師としては3色4色混ぜても・・混ぜるほどに良い調子が出せると自己満足している。 ついでにパレットと絵鏝(ペインティングナイフ...

私は、谷中安規が好き

イメージ
 タニナカアンキと頭に入っているのでそれで良いのだろうが、ヤスノリと本当はいうのかもしれない。テレビ等で紹介されたか美術雑誌で紹介されたか、この版画家を知った経緯が不明である。昭和52年に「谷中安規版画天国」岩崎美術社刊、版画集を買っているのでかなり以前に知ったことは確かである。 奇妙な絵である。静かな絵である。版画というよりスタンプみたいだ。全体に小さい版画が多い。闘牛(日米決戦の夢)の画面が横32cmで大きい方だ。 画面から受ける印象は明るくない。 楽しそうな雰囲気の画題でも暗い感じがする。静かである。絵から音がまったく聞こえてこない。私だけの感想だが。そこに何か惹かれるのだ。 餓死したらしい。極貧の中で制作に励んだのだろうか。

私は、牛島憲之が好き

イメージ
 ボワーンとして温かさがこもった絵本に使えそうな絵である。表紙絵などに使われているところからもそうしたことが言える。どの絵にもはっきりした線が無く筆痕も無い。でも、コンクリートや石や水や木々や鉄の質感は確実に表現されている 。 なぜこのような独特の絵を描こうと思ったのだろう。不思議な絵だ。

私は、佐伯祐三が好き

イメージ
 パリの街中の一角をまるで速写みたいに描いている。かと思えば重厚なマチエールでノートルダム大聖堂を描いている。人物画も動きがあって生きている。街の壁に貼られたポスターやレンガ塀のゴチャゴチャした景色を鮮やかに描き出している。人物、風景ともに秀作である。 一時帰国した時、絵が描けなかったという。 それはあまりに日本の風景がパリの景色と違っているからだ。フランスに絵画修行に行って帰国した画家の多くが経験することらしい。確かに、佐伯が描いた瓦屋根の土壁と障子の家並、庭に松と梅の木が植えられている風景を想像することは難しい。せいぜい駅構内や船体など構成がくっきりするような構図の絵が描けたくらいだろう。 体調はあまり良くなかったのだろうが、再びフランスに戻り絵を描いた。自身の命と引き換えにするくらいの迫力がどの絵にも感じられる。

美術四方山話〈物故作家作品の行方〉

イメージ
 いきなり何を言い出すのかと思われるかもしれない。有名作家で既に個人美術館がある人の話ではない。話の主人公は、そこそこ知られていて画商なども付いている人のことである。以前に某美術雑誌のコラムに書かれていたことを思い出している。 ある画家が亡くなって残った作品を整理する話だった。付いていた画商は作品の引取をしてくれなかったらしい。どれくらい作品があったのかは知らないが、つながりのあった人や知り合いの人に引き取ってもらったなどと家人が話されていたと書いていた。このことはちょっと簡単に聞き流せない話だ。画家は個展で売ることもあるだろう。絵の評価額が号5万円位だとすると単純計算で10号大で50万円だ。作家の作品を買った人がもしこのことを知ったとしたらどう思うだろうか。 話は変わるが欧州での話だろう、有名ブランド紳士服の在庫がダブつき裁断され廃棄されたとかいう話があった。これについて勿体無い、もっと有効活用?されたら良かったのに、例えば 無償で施設等に贈るとか・・でも高級衣服を購入している人から考えると・・・。食べ物なら消えてしまうから問題ないが、形が残るものは困る問題もある。 下衆の勘繰りみたいな話になったが、コラムの記事の目的はもっと高尚な話で終わる。それは、物故作家の作品が散逸してしまうようなことにならないよう国など公的な所で保管できないものかという話だ。 そのような施設ができたら良いネ。でも、今斜陽の我が国でそれは無理なことか。 写真は、亡父・野村政良の画集です。父の作品は保管しているがいつまで保存可能か気掛かりです。

私は、キーファーとクリストファーが好き

イメージ
 鉄工所の親父みたいなキーファーが1945年生まれ。いかにもアメリカ人といった感じのクリストファーが1952年生まれ。私が1950年生まれ。何が言いたいのかというと同年代だと言いたいのだ。 小学1年生と3年生そして中学2年生ならば、年齢はかなり隔たって見える。しかし70歳過ぎてると、73歳も75歳も80歳もその差は大して変らない(と思う)。つまり3人は同年代である。私が彼らに好感を持っている第一の理由がここにある。 勝手な思い込みではあるけどね。  そしてもう一つ共通点がある。3人共見事に禿げている。頭の格好がよく似ているのである。これだけ共通点があるのだから天才3人組で頑張ろうじゃないか。って一人でニンマリしているこの頃である。(^^) 写真は上からキーファー、クリストファーです。映画チラシと画集から勝手に取りました。ゴメンナサイ

私は、クレーが好き

イメージ
 抽象画のような童画のようなイラスト的な絵が多い。知性派といった言葉が似合う画家だ。クレーが風景写生している様子を想像することは出来ない。机に向かって真剣な眼差しでもって絵を描いているような印象である。  実際は戸外で水彩画の写生なども行っていた。でも 計算された構成力の強い絵という印象が拭い切れない。 抽象画なんだろうか? と思ってみると具体物が見えてきて、具体物が何を描いているのかちょっと分からなかったりと頭が混乱する。観る人に緊張させ身構えさせる絵である。

私は、ルソーが好き

イメージ
 絵は詩的であり、ユーモアが感じられるとともに時に恐ろしい雰囲気も漂わせる。技術的には巧みなのか下手なのか判明できない。肖像画が全然似ていなくても描いた本人は全く気にしないようなのだ。でも風景描写には凄みがある作品も多い。実に不思議な画家である。 2枚目に紹介した戦争の寓意画は、剣と松明を持った女の子が黒馬と一緒に戦場を駆け巡っている絵だが暴力と優しさとが共存する不気味さを感じる。  

私は、レンブラントが好き

イメージ
 海外旅行で世界の巨匠の本物を観る機会があった。「夜警」「ユダヤの花嫁」である。写真精度は悪いけど滅多に無いことだからここに掲載する。 絵の説明など出来ないし、する必要も無いほど有名な絵だ。「夜警」は美術館の収蔵品の中でも特別扱いされていた。まぁ、国宝級なのだね。 「ユダヤの花嫁」はゴッホが大変気に入った絵だ。「水とパンだけ持って、この絵の前に1週間でも居続けることができるならそうしたい。」と言った事があるらしい。無理だよ、警備員に追い出される。 レンブラントは群像画に秀でた人であるが、肖像画にも傑作が軒並みあるね。凄い人だ。    

私は、洞窟壁画(作者不詳)が好き

イメージ
 ラスコーやアルタミラの洞窟壁画。太古の人が描いたものだ。岩の凹凸を上手く利用して描いているという。実に正確にデッサンされている。宇宙人が描いたのかも知れないなどとバカを言ってはイカン。 これらを見ると人の生来持っている技量というか力は、太古の時代からあまり変わっていないのではないかと思う。科学的、文化的に進化が進んで知識は豊富になっているが人間力はほとんど変化してないのである、と言い切れる。これら絵を見ているとそう思う。納得! 

私は、富岡鉄斎が好き

イメージ
 儒学者で神官で絵描きで若い時は勤王の志も持っていた人。絵描きという面が一番強い印象だが、本人は絵描きであるつもりはなく画家と呼ばれることに抵抗感を持っていたらしい。でも、絵は見ていて楽しいし、第一楽しんで描いていたと思う。そんな雰囲気を絵が正直に表している。 絵には画賛も書かれているが私は読めない。見ていて楽しく、絵の中に一緒に入り込んでしまう気になる。 沢山人が描かれている絵は、私が住んでいる三津浜魚市風景だ。庶民の生活が活写されている。

私は、木田金次郎が好き

イメージ
 有島武郎の「生まれ出づる悩み」のモデルとして知られた画家である。風景、人物、静物といろいろな画題で描いているが風景画が一番良い。ダイナミックな筆触でグイグイ描いている。画面の中で繊細な線描が生きている。一番好きなのは「春のモイワ」。また漁港風景も良い。人物画は感心しない。恐らく肖像画の依頼を受けて渋々描いていたのではないかな。 とにかく元気な人だったらしい。北海道の雪道を 画材を担いで何十キロも歩いて写生に行っていたという。社会的にも活動したらしく町会議員もやった。スーパーマンみたいな人だ。

私は、神田日勝が好き

イメージ
 細かい描写がされている。新聞紙が部屋の内壁一面に張り巡らされて、その真ん中に一人ぽつんと座っている絵がある。座っている男の前には人形やリンゴや目覚まし時計や生ゴミや・・・不思議な存在感の絵だ。 絵はベニヤ合板に油絵具で、驚いたことに筆ではなく絵鏝で描いているのだ。 こんな細かい絵なのに・・である。時間が随分かかっていると思う。新聞紙の記事まで読めるんだ。 モノクロームで描かれたドラム缶の絵も迫力がある。 作品の中には絵具を厚塗りしてフォーブ派?的な絵もあるがあまり感心しない。これらの絵は半世紀前に描かれているが今でも色褪せない独特のモノがある。 絶筆とされる馬の半身像はこれで完成しているような錯覚に落ちる。この絵で分かるように画家は部分からきっちり完成させていく画法を取っていたらしい。  

私は、梅原龍三郎が好き

イメージ
「 絵は自由に描きゃぁ良いんだよ。」という大声が聞こえるような画風である。若い時にルノワールに教えを乞うたという。全然それらしい雰囲気は無いけどね。若い時の絵には少しそれが見える。 風景画と人物画とどっちが好きかというと風景画だ。北京秋天とか浅間山の絵とか好きだ。剽軽さがあって、特に浅間山の絵は、人型の雲がフウラリ、フウラリ飛んでいるようで動きが感じられて秀逸である。 人物画は女性が日本的でスタイルは悪いがゴッツくて面白いと思う。